マリオネットラインとは
マリオネットの人形のように口の横にできるシワを俗称として「マリオネットライン」と呼びます。マリオネットラインの治療は実は結構難しく、その部分だけの治療では完結しないものです。
マリオネットラインができる原因
マリオネットラインは色々な原因が重なってできています。
(1) 上からのたるみがきます。
(2) 加えて頬にあった脂肪が膨らみ、上に乗っかってきます。
(3) 口周りは脂肪が付きづらく太らないため、年齢とともにどんどん痩せていきます。
(4) (1)と(2)の少し厚みが出て下がってきて押し寄せてくる部分と、(3)のどんどん痩せていく部分との高さの段差ができます。
(5) 下顎の中央に位置する「オトガイ筋」という筋肉が強くなり、下顎の骨の萎縮により余った皮膚が持ち上げられ、「への字口」になります。
(6) への字口になると周りの筋肉が下がりやすくなったり、下がって見えやすくなったりし、下向きの影が現れます。
(7) 「たるんでくる頬」と、「上がってくる皮膚」とで押し上げられ、捻じれるような感で下向きの影ができてきます。
マリオネットラインの治療法
複数の原因が重なってできているため、一つの治療では解決しません。色々な原因に対して色々な治療を組み合わせる必要があります。
たるみは何らかの方法でリフトアップする必要がありますし、落ちてきた頬の脂肪はある程度引っ張り上げる必要があります。また、分厚くなってしまっている脂肪に関してはHIFUや脂肪吸引、脂肪溶解注射などで脂肪を減らす処置が必要になります。そして段差を減らすために、痩せているところに厚みを出します。
顎の骨の萎縮によって余った皮膚が撚れている部分はピンとハリを持たせ、構造的に形を戻していきます。それでいてオトガイ筋の筋肉を柔らかくしていきます。すると「重なった複数の原因」が一つずつ解消されていき、マリオネットラインはだんだんと伸びていきます。
マリオネットラインの治療の順番・一般的な治療
マリオネットラインの治療には順番があります。
と言うのも、マリオネットラインができる原因として大きいのはやはり「たるみ」ですので、治療においてはまず「たるみ」をリフトアップすることが第一です。
その後、その他の問題に合わせて必要な治療を順番に行っていきます。その他の問題というのは、脂肪の大きさや痩せている、顎のラインなどの問題が挙げられますが、それぞれの問題の大きさは人によって異なります。
リフトアップは糸、ヒアルロン酸、他の方法、どんなものでも構いません。まずは皮膚をグッと引き上げることでマリオネットラインは薄くなっていきます。意外と知られていないのが「顎周りの余って撚れた皮膚の問題」で、この部分の治療は難しいのですがヒアルロン酸で可能です。余って撚れた皮膚に、顎の骨の形を戻すようにピンとハリを持たせると、マリオネットラインが伸びていきます。
そして伸びてきたマリオネットラインにさらに直接の治療で厚みを出す。というものが一般的な治療の流れです。もちろん患者様の症状の程度や状況により、治療のパターンの組み合わせは変わります。実際に見た上で「どういう治療にしていくか」を患者様とじっくり話し合っていきます。
マリオネットラインは「そこだけにパッとヒアルロン酸を入れたら改善する」「何かを注射すれば改善する」と言うほどシンプルなものではありません。
マリオネットラインの治療は少し難しいものであると考えてください。