たれ目院長ブログ 〜どんな名医も名医も最初は初心者。ヒアルロン酸注入が上手くなるコツは。〜

上達の近道まず第一は、

・頭をカラッポにしてゼロから学ぶ

俺はヒアルロン酸なんか1万件以上やってるから余裕だぜベイベー、という高名なドクターであっても騙されたと思ってそれまでの知識、情報、テクニックは一旦全部封印し、新しい注入治療の概念をイチから学んでください。従来の治療法が頭に少しでも残っているとそれが足を引っ張って伸びないことも。もしくはバイアスがかかり途中から治療の方向がズレます。

素直に頭に入れる。これ、美容医療の経験が多ければ多いほど意外とできません。逆に美容経験ゼロの若いドクターの方が100%素直に吸収して伸びていくこともあります。それまでの経験が邪魔をして新しい治療を正しく理解できない、もしくは微妙にズレて覚えちゃう。よくあります。

その次に、「勉強」…?

「勉強」…は必須ですからコツとは言えません。解剖の勉強、治療の勉強、テクニックの勉強、上達したいと思うのであればもう常に勉強勉強です。そこに近道はありません。ひたすら勉強するのが最も近道。ということで、勉強は絶対必要条件として、その際のコツを。

・イメージ力を鍛える。

注入治療は針を刺すのも刺してからも、ヒアルロン酸を押し出すときもその後も、もっと言えば治療のプランを立てるアセスメントの段階でも、最初から最後までずっと『イメージ』が大事です。診察で顔を見て触って、患者様の骨格、筋肉、脂肪、皮膚がどのような状態にあってどれくらい萎縮やズレがあるのか、まずそれを解析して自分の頭の中で骨格や筋肉などの組織配置を3Dイメージとして作り上げます。

そして現在のイメージから、患者様の若い頃の顔形、さらにまたその内部の組織配置をイメージし、そこに必要なボリュームをヒアルロン酸で補い、不必要なボリュームはマイナスの治療を考え、肥大した硬くなった筋肉は柔らかくして完成のイメージに必要な治療を組み合わせていくとアセスメントが完成します。

施術に入る前にまだ大事な作業があります。全ての人がアセスメントの通りに治療するわけではありませんから、実際に使用する量で、どこにどう配分すれば患者様の気になる症状を最も改善しながら全体のバランスが整うのか、ここでもアセスメント時とは少し異なるイメージ力が必要となります。

例えば全体で15本のアセスメントを作成した患者様をまず5本で法令線を中心に治療して欲しい、という状況、治療パターンは無限大にあります。法令線のみを徹底的に治療してゼロになったとしても他の部分の老化現象が目立っていればアンバランスで違和感が出る、いわゆる変な顔になります。法令線はもちろん薄くしつつ、他の部分とのズレが大きくならないように、絶妙にバランスをとりながらその中で最大限法令線を薄くできる治療ポイントを組み合わせます。

患者様が近いうちに次のステップの治療をするかどうか、あまり触れてほしくない部分や絶対に注入したくない部分があるか、といった情報も大事です。短い期間で次の治療を予定されている場合には最初の治療はある程度セオリーに従った土台治療に集中しても大丈夫ですが、5本でひとまず終了とする場合には局所的な変化は避けて全体のバランスをとことん考えなくてはいけません。長期的にそのバランスが維持されるように。

プロから見て治療の余地があっても患者様が希望しない部分があると、やはりそれを考慮してバランスを決めます。例えば顎先はもう少し伸ばした方が黄金比率に近づいてきれいになることがわかっていても顎先にはヒアルロン酸を注入したくない、となった場合、他の治療部位は元々の顎の長さに対して違和感が出ない範囲に変化を抑えなければいけません。

そうすると、同じ患者様に同じ5本の治療をする時、徹底的にバランスに振った配分の治療もあれば法令線を違和感がない範囲内で最大限に薄くするパターン、それから特定の部分を触らない場合にバランスが崩れない法令線の改善度のMAXを決めてから他に振り分けるプラン、などなどと無数に治療パターンができるわけです。

ついでに言うとヒアルロン酸製剤の種類、弾性、粘度などを選択するのにもイメージが大事です。ヒアルロン酸は注入する層、量、形、注入法、硬さや弾力によって筋肉の動きをブロックするか皮膚をブロックするか、顔の動きに対する影響が大きく変わってきます。弘法は筆を選ばずかもしれませんが、ヒアルロン酸製剤は一つの種類で全てをきれいにナチュラルに仕上げるのは無理です。できる、と言ってもそれは静止時に形がきれいなだけで、顔を動かして表情を作った時に違和感が出てしまっては正しい治療とは言えません。

治療プランが決まってから実際に施術となった時も。これまた重要なのが『イメージ力』。針を皮膚に突き立てる瞬間からそれは始まります。針先が何に当たって何を裂いているのか、欠陥であれば出血があるし筋肉であれは抵抗が変わるし靭帯であればその感触があるし神経であれば痛がる反応が見られるし。

そして針先が目的の場所に正確に到達し、それが正しい位置、角度で接しているか、危険なものに触れたり近づいてはいないか。アスピレーションしている間も針先がたまたま血管を引っ掛けてたり密着していて血液逆流がないだけで本当は血管に当たっていないかどうか。ヒアルロン酸を押し出すときも周囲の組織に対してどういう広がりをしてどのような形に射出されるのか。針を抜くときも全く同じルートを無駄なく戻って来れているかどうか、途中で血管を貫いていて針を抜いた瞬間に出血するかもしれない。

これらは考えていることのほんの一部。全部をリストにして一つ一つチェックしながらやっていたら日が暮れてしまいます。でも一つとして抜かすことができません。たくさんあるチェックリストを同時に考えながら行うには一つ一つを考えていてはダメで、言葉ではなく全てを詰め込んでイメージとして捉えるのがポイントです。

例えばスポーツにおける指導。ゴルフのスイングを全て言葉で解説しようとすると複雑で膨大。スタンスは肩幅程度でつま先はどの方向、重心はこうして腕は下に肘は曲げず…、ようやく形が決まったら今度はテークバックの方向、スピード、その瞬間ごとの肘の角度、目線、頭の位置…、こんなことを一つ一つ考えてたらもうまともなスイングになりません。僕は下手なのであくまで想像ですが、プロや上級者は一つ一つの動作を意識しながらもそれらを同時に組み込んで一つのフォームとするのではないかと。

注入治療における施術もそんな感じということ。それによく考えてみてください。患者様の骨格の解析もヒアルロン酸の弾力も針先が体内でどんな状態、位置にあるかも注入されたヒアルロン酸がどんな形になっていて周りにどんな影響を及ぼすかも、全ては目に見えないことなのです。

目に見えないからこそ頭の中で思い描くイメージが大切なのです。ドクターの頭の中のイメージと実際に起きていることが一致していれば思った通りの効果が出せてリスクも回避できますが、イメージと現実とのズレがあり、それが大きければ大きいほど効果は出ずにリスクが跳ね上がります。

医者の手技全般に言えることですが、とにかくイメージ力が大事です。勉強した知識と実際に触れて感じて得られる情報を組み合わせて頭でイメージを描き、それが現実との誤差がなくなるように磨いて鍛えて、時には修正も微調整も加えながら徹底的に正確で精密なイメージを持つ力を養います。それが治療の結果を左右すると言っても過言ではないでしょう。

特に注入治療はほとんどがブラインド操作で、治療部位を厳密には直視できないため、どうしてもイメージ力が必要となり、その差が腕の差にもなります。

・最後のコツは、『勉強』です。

あれ、さっき勉強は必須項目だからコツにはならないって言ったじゃん、と突っ込まれそうですが、最初の勉強で学ぶことは解剖や層治療の仕組みなど、ある程度は本からでも得られる知識。ここで言う勉強とは注入治療に特化したテクニックやカニューレの操作法、注入治療というものの治療概念、果ては美しく見せるための視覚効果や人の心理まで、教科書にない譲歩や知識を学ぶこと。

これら生の知識と言いますか現場で経験しながら得られる情報は、教科書をいくら読んでも足りません。書き切れない情報や活字では伝え切れないニュアンスが多くあるからです。上級者の書いた本にはそういった情報まで言及していることもありますが、最初はそこが実は重要な情報だと気付かずに通過してしまい、ある程度身に付けた後で読み返すとようやく言っていることの意味がわかったり、と。

しかし、今は美容医療も学会でしっかりと情報共有がなされていたり各地でセミナーが開催され、上級者のテクニックをLIVE動画や目の前で見ながら、実際の施術ポイントや指導医の考え方、注意点、工夫などをその場で聞くことができます。上級者がサラッと言うことにかなり重要な情報が詰まっていたり壁を乗り越えるヒントがあったりします。これ、かなり貴重な情報になると思います。

教科書はあくまで教科書です。必要な情報はたくさん載っていますが、それだけで上手くできるかというと難しい。知識だけを得て勢いでやってしまいトラブルが起きても教科書は責任取れませんし、やられる患者様もたまりません。教科書の知識と現場の施術テクニック、生の技術をつなぐ何かが大事です。

料理において説明すると、慣れている人はレシピを見ただけで美味しい料理を作れますが初心者は難しい。なぜならレシピにはいちいち書いてない細かいテクニック、常識となるポイントがあるから。塩を一振り、と言われても素人にはどれくらいが一振りなのか検討がつきませんが上級者は料理の種類や作っている量、味のバランスを考えてこれくらいと判断できるでしょうが、経験がないと笑っちゃうくらいわかりません(私のことです)。そうすると上級者からは信じられないような失敗をしたりします。

料理にチャレンジする度に思うことですが、レシピには書いていないポイントや上級者が当たり前にやっていること、当たり前すぎて意識もしていないこと、経験からくる注意や工夫、そういったちょっとしたことが料理の出来に大きく影響しているんだろうなと思います。

美容外科学会においてヒアルロン酸注入のライブサージェリーで、ある高名な先生がカニューレの操作のポイントを、木綿豆腐を突くくらいの強さで操作してそれ以上の強さはリスクが高まる、と説明されました。本当に木綿豆腐を突いてみたかはわかりませんが、たったこれだけの言葉でもカニューレ操作時にどれだけの力なら良いかという貴重な情報を伝えられます。

初心者や外科的経験が少ないと、カニューレはどのように操作すればよいのか難しく感じますが、木綿豆腐と言われたらなんとなくイメージできます。先端が丸い鈍針といえども木綿豆腐なんて簡単に刺さります。そうすると、もっともっと弱い力で操作するのか、とイメージできるわけです。このイメージ、微妙なニュアンスは文字では伝え難い。カニューレは弱い力で動かしましょう、と言われても、初心者にとって弱くってのはどれくらいやねん!?、となりますし、木綿豆腐を突くくらいと書くと今度はこればかり意識してしまって同時に注意すべき他のポイントが疎かになってしまったりと。

それが実際に施術を目の前で見せながらの説明では、考えやポイントを同時に伝えることができ、聞く方は言葉だけでなくそれをまとまったイメージとして受け取ることができます。やはり現場で得られる生の情報というのは大変貴重であり、上達するのに必要な要素にもなってきます。

自分で研究していくうちに気づくこと、わかってくることもありますが、そこに至るまでに大なり小なり失敗も繰り返す可能性があります。施術するドクターにとってはちょっと失敗しても次に活かせばいいや、かもしれませんがこれまた患者様にしたらたまったもんじゃありません。患者様から見ればその機械こそが全てであり100%なのですから、プロであり医療者たるもの失敗することなく上級になるべき。

今はコロナ禍のために少なくなっていますが、幸いアラガンジャパン者が正しいテクニックや知識を広めようとセミナーを企画し、多くのインストラクターが全国を飛び回って、実際のセジュツで必要な知識やポイントを解説しています。それだけでなく他社やプライベートセミナーを含めるとかなりたくさん勉強する機会はあります。無料のものから有料のまで様々ですが、上級者の考え、ちょっとした工夫や注意点、コツを目の前で聞く、実際の施術を見ることが教科書ではない「勉強」です。

以上、注入治療が早く上達するためのコツを少し紹介。全然少しになってませんが、私が最も重要と考える要素を絞るとこの3つとなりました。もちろん他にも大事なことや必要なことはたくさんあり、紹介した3つのポイントはたくさんあるうちのほんの一部。患者様の大事な顔を治療するからにはこれで十分というラインはありません。美容ドクターたるもの必要な情報や知識、ポイントやコツはどこまでも貪欲にかき集めて全て自分のものにすべき!

死ぬまで学ぶ。ドクターはこうあるべきです。

 

 

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