一度治療すればその後ずっと若さを保てる、となれば理想的な治療に聞こえますが、実際にはそううまくはいきません。効果がずっと残るということは副作用やトラブルが発生した場合もずっと残ることを意味しており、かつてそのような治療を行っていた結果が思い通りにいかなかったため、現在は元に戻る、言い換えれば治療前に戻せることが一つの安全基準となっており、美容医療のトレンドとなっています。
また、治療後も人は必ず年をとります。永久に残る治療だと治療直後は良いですが、その後は年齢で変化する部分と治療によって変化しない部分との差が大きくなり、結局違和感が強くなるリスクもあります。アンチエイジング治療によって一旦若返った後も、歳とともに自然に変化していくことこそが自然で違和感のない治療となります。
さて、ヒアルロン酸やボトックスを使ったたるみ治療、若返り、シワ除去は非常に満足度が高く、それでいて自然な仕上がりとなることが喜ばれています。その時に時々聞かれることが、
「でもこれってずっとやり続けなくちゃいけないんでしょ?」
この答は決まっていて、アンチエイジング治療というのは生命に関わる緊急の治療とは異なり必ず受けなくてはいけないものではありません。ただし、もしも若々しく元気な表情をある程度保ちたいのであれば一定の間隔で治療することでその希望に沿うことができます。
ただし、アンチエイジング治療が必要な回数や量は人によって異なり、さらにはどこまで求めるかというゴールによっても大きく差があります。例えばほうれい線を消したい場合に、浅い人であればヒアルロン酸1~2ccもあれば完全に消すことも可能ですが、深い人はそれだけでは足りません。ボリュームロスの強い人であれば5~6cc必要となることもあります。
また、同じくらいの深さのほうれい線であっても、30%薄くしたら満足という方と、90~100%消したいという方では当然治療部位も必要なヒアルロン酸量も変わってきます。つまり、どの症状をどれだけ改善したいかによって必要な治療が決まってきて、その若々しさをもうちょっと長く楽しみたいなと思えば、適切なタイミングで追治療を行います。逆に治療しないからといってダメなことはありませんし、ヒアルロン酸注入後の変化は大変緩やかなので、追治療しないと急に老け込むことや違和感が出てくることもありません。
ヒアルロン酸注入のメリットは吸収素材で安全、安心度が高いだけでなく、治療後の変化が穏やかで自然、つまりまた一緒に歳をとっていけることにもあります。ただ、治療しない場合に比べると若さや優しい表情を長く楽しめます。老化を遅らせることができる、と言い換えてもわかりやすいかもしれません。
同じアンチエイジングでもボトックスはヒアルロン酸と作用が異なり、効果が切れるとまたシワができ始めるので、定期的に注射した方がよい治療となります。治療を重ねることでシワが出来難くもなりますし、もっと言えばシワが皮膚に刻まれる前から予防的に治療しておくと大変きれいな状態を保てます。年齢で言うと30代から予防的にボトックス治療をすると40代、50代にできるシワが最初からできなくなります。
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