たれ目院長ブログ ~新ヒアルロン酸製剤「ボリフト」認可~

ヒアルロン酸
ヒアルロン酸

アラガン社の新しいヒアルロン酸である「ボリフト」が厚生労働省の承認を取得しました。アラガン社のジュビダームシリーズは柔らかいものから順に「ウルトラ」、「ウルトラプラス」、「ボリューマ」とあり、ボリフトはボリューマと同じくバイクロス技術で架橋された長期間持続するタイプです。ボリューマがしっかりとした弾力でリフトアップに使用するのに対し、ボリフトはやや柔らかくて、ほうれい線やマリオネットラインをふっくらさせる時に向いています。柔らかさで言うとウルトラプラスと同じくらいで、それの持続期間が長くなったタイプとも言えます。

ボリフトが入荷するのはもう少し先です。ウルトラ、ウルトラプラスの持続期間は約1年ですので、ボリフトを使用することにより持続期間が2倍へとなり、治療回数も減らせて費用も抑えられます。リップや目袋に注入する最も柔らかいウルトラの長期持続版も実はあるのですが、そちらの承認にはもう少し時間がかかるようです。唇をふっくらとさせる治療は若返りだけでなく、アヒル口のようなかわいいリップが良いという若い方にも人気の治療です。ここも持続期間が倍になればかなりコストパフォーマンスが良くなりますね。

ボリューマやボリフトなどのバイクロスシリーズは持続期間が長いことも魅力的ですが、水分の吸収性が低いこともメリットの一つです。この水を吸わない性質というのは実は非常に重要なことで、ヒアルロン酸はもともと保湿成分として水分を蓄える性質があります。その量は1gのヒアルロン酸で6リットルの水分を吸うことができるほど!ただ、治療で注入するヒアルロン酸が水分を吸って勝手に膨らんでしまってはこまるので、架橋という方法で結合させて水分を吸わせないようにしています。

しかし、いままでは架橋していてもある程度給水して、3割ほど膨らんでしまっていました。つまり、注入治療するドクターは後から膨らむ分を計算して量を調節しながら注入するのですが、人によって膨らむ割合も異なるため難しいところでした。それをアラガン社が架橋の方法を工夫し、水分をほとんど吸わない性質のヒアルロン酸を開発したのがバイクロスシリーズです。私もこれを使いだしてからは注入後の変化の少なさに驚き、今ではボリューマを中心に治療しています。

このジュビダームのバイクロスシリーズはこのように高性能かつ持続期間が長いという良い製剤であり、それが使用する理由なのですが、数少ない厚生労働省の認可薬であるという事実もやはり大事な理由です。承認がある薬品がある以上、それを使うのが安全な医療の基本であると思いますし、安心感が断然違います。でも両方とも大事ですね。いくら承認薬であっても性能が低くて持続期間が短ければ使えませんし、品質が良くても未承認薬というのは安全性の確保という意味で不安が残ります。

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