低アレルギーでより安全と言われているヒト由来のヒアルロニダーゼ、HYLENEXの問い合わせが増えてきました。他院で注入したヒアルロン酸を溶かしたいが普通のヒアルロニダーゼのアレルギーが心配、またはアレルギーがあったため使えなかったという方が多いようです。
当院は注入専門クリニックとして、ヒアルロン酸注射による若返り治療を行うのがメインの治療であり、ヒアルロニダーゼ治療を専門としているわけではありませんが、要望があればできるだけ患者様の悩みを改善できるように努めています。ヒアルロン酸を溶かすためには、いつ、どの場所にどれくらいの量にヒアルロン酸が入っているか、そしてもっとも重要なのがどんな種類のヒアルロン酸を注入したのかが大事な情報になります。それらが不明の場合は、ヒアルロニダーゼの治療をお断りする場合もあります。というのは、詳細が不明な場合、注入したのがヒアルロン酸でない可能性もあるからです。
以前、韓国で注入治療をしたがしこりになったので溶かして欲しいという患者様が来られた時、確かに皮下でしこりになっているのですが注入したのはヒアルロン酸かどうかよくわからないというので相談した上で治療をお断りさせていただいたことがあります。もし注入されたものがコラーゲンであったりハイドロキシアパタイトなど日吸収性のフィラーだとするとヒアルロニダーゼの意味がなく、リスクだけが残りますので。
そして、ヒアルロニダーゼでアレルギーが出たという方は、ヒアルロニダーゼの製品名、どこにどれだけの量を注射したか、アレルギーテストは行ったか、アレルギー症状は注射後どれくらいの時間が経って出たか、どのような症状であったか、改善するまでに要した時間など、できるだけ詳しい情報があると正確な診断、治療ができます。
最後に大事なこととして、ヒアルロニダーゼでは溶かすヒアルロン酸の微調整が難しいことがあります。注入したヒアルロン酸を全て溶かすつもりであれば多めに注射すればいいですが、左右差をそろえたい、微調整したいという場合はヒアルロニダーゼは向いていません。当院では以前に実験し、HYLENEXが溶かせるヒアルロン酸の量がわかっていますが、あくまで体外での実験なので実際に体内に注射した場合は理想的に広がるとは限りませんし、実験で使用したアラガン社のジュビダームシリーズではない場合は同じように溶けるかも不明です。ただ、目安にはなりますので、注入したヒアルロン酸の量がわかっていれば、一応全部溶ける量を計算し、その1/2、1/3の量から様子を見ながら注射していくことで少し調節することは可能です。厳密に調整しようとすると、注射して2.3日後に変化をみてまた注射して、というように時間は必要になります。
一般的なヒアルロニダーゼは1瓶あたりに含まれる量が多いので、量を計算せずに注射すると溶かし過ぎちゃうのではないかと考えています。頬にいれたヒアルロン酸を少しだけ溶かしたかったのにヒアルロニダーゼで全部溶けてまたたるんじゃった、というのはよく聞きます。今度また実験してみようと思います。
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ラベールミラクリニック
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