こんにちは松元です。
先日患者さんにこんな質問をいただきました.
「血管塞栓が怖いのですが、カニューレを使えば塞栓は起こらないですか?」
これを聞いた時、単純に
しっかり勉強していて立派だな…!と感動しました
この質問だけで、
・自分の受けたい治療がどんな治療なのか
・受けるにあたってどんなリスクやどんな合併症があるのか
・その合併症をどうすれば避けることができるのか
というところまで考えられていることがわかりますよね…!
今日はしっかりとこの説明をしていこうと思います。
血管塞栓とリスク部位
血管塞栓とはヒアルロン酸が血管の中に入って詰まってしまうことです。
血管塞栓が起こると血流障害が起こり、
皮膚が壊死したり場所によっては視野障害、失明することが知られており
注入治療を行う医師は必ず学ぶ必要があります。
その血管塞栓にはいわゆる好発部位がありまして
それが鼻唇溝(ほうれい線のこと)、眉間、鼻になります。
これらは顔面動脈や眼動脈など重要な血管に非常に近い部位です。
針とカニューレ、どちらが安全か
では本題に戻り、どちらが安全かという話です。
針とカニューレ、どちらにもメリット・デメリットがあります。
我々は安全性にとことんこだわる一方で、
安全に配慮しながら結果を出すことが私たちの仕事です。
これから私の考えるメリット・デメリットについて書いていくので
ぜひみなさんもどちらが安全か、考えながら読んでみてください。
メリット | デメリット | |
針 | ・HAを置きたい部位にピンポイントに入れることができる ・逆血確認がしやすい | ・先が鋭いため血管に刺入しやすい ・何回も刺すので内出血リスク⇧ |
カニューレ | ・面の形成に向いている ・先が鈍いため血管に刺入しにくい ・丁寧にやれば内出血のリスク⇩ | ・逆血確認に時間がかかる ・その逆血確認の信憑性は? ・ピンポイントに注入するには不向き ・扱い方によっては血管内に刺入する ・カニューレなら安心という勘違い |
さて、みなさんはどちらが安全だと思いましたか?
そして私は気がつきました。
これを1回のブログで書き切るのは無理だということを・・・
なので結論を先にお伝えします。
カニューレだからって安全とは限りません。
むしろ1番怖いのは
絶対安全と過信して、安全確認を怠ること
これが最も危険なものだと思います。
マニアックな解説はまた次回に!!
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