ヒントの与え方を考えてみる

先日仕事で東京に向かう名古屋駅で、循環器時代の先輩にバッタリ会いました。残念ながら違う新幹線だったんで、数分しか話せなかったのですが、すごく懐かしく楽しい時間でした。

10年以上前、医療の右も左もわからない状態の私に、医師としてこれからやっていくために大切なことを、たくさんの先輩や上司に色々教えてもらったなぁと。
その頃の写真はないかなと探してみたら、1枚だけ見つけました。(母とのLINEのアルバムに謎に残っていましたw)




この写真を見て、思い出したある先輩のありがたい言葉があります。
「髪を下ろしてやさぐれ感出してる時期、私にもあったよ」と。
それを言われた時に急に恥ずかしくなって、それ以来患者さんと接する際、髪をきちんと結ぶようになりました。
ここで言いたいのは、髪を下ろしてはいけないということではありません。実際美容ドクターが綺麗な髪で綺麗な髪型で下ろしている先生もいます。清潔操作をしないのであれば別に問題ないと思います。(私はボサボサだし、邪魔なのでくくっていますが。)
先輩が言いたかったのは、今はそんな格好つけてる場合じゃないよ、まず医者としてやるべきことをやりなさいという意味があったのだと思います。

そしてこの時、もし先輩が「髪の毛くくりなさい」とストレートに言ってきてたら、その時は結んだかもしれませんが、また同じことをしていたかもなと思います。「医者としてやるべきことをやれ」とストレートに言われてたら、もしかしたら「うざいな」と思っていたかもしれません。今思えば、先輩はうまいこと私を導いてくれたなーと思います。実際、やさぐれ感出すのが恥ずかしくなってもっと謙虚に真面目にやろうと思ったきっかけです。
人に何かを伝える時、言い方1つでこんなにも行動が変わるんだなと改めて考えて思いました。

今回の先輩からの発言でもそうですが、実は日常生活でもストレートではなく、あえて違う言葉によって正しい行動を促されている場面があります。
例えば、「健康診断を受けましょう」とストレートに書かれたポスターではなく、「90%の人はこの健康診断を受けています」というポスターがあったとしたら、これを見たほとんどの人は前者のポスターを見た人より健康診断を受けようと思うでしょう。これは自分は残りの10%になりたくないという人間の行動心理を利用して、正しい行動に促しているのです。

このように日常の選択や意思決定を微妙に誘導することで特定の行動を促すことは、行動経済学の分野でナッジ理論と言われる研究された概念でもあり、たまたまそうなったわけではありません。

何が言いたいかというと、
人生100年だと半分もいかない私はまだまだ成長途中です。
私を成長させてくれる人たちに感謝しながらも、同時にそろそろ後輩たちにも成長のヒントを与えていかなければなと思っています。
後輩たちにヒントを与える際にどんなヒントを与えたら、相手がより正しい行動をとることができるかが最近の私の課題です。

最後に写真を…

先日、医師としての、母としての、そして人生の先輩のお二人と色々なお話しをし、成長のヒントをいただいた時の写真です。すごく楽しかった時間でした。
もう1つはヒアルロン酸の師匠であり、人生のアドバイスをくれる新井先生と2022年に撮った懐かしい写真w

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