美容外科手術(クマ治療)とボトックス・ヒアルロン酸注入の真実~医師が語る治療の裏側~

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先日、美容外科医であるあいちビューティークリニックの横山先生と、手術、特にクマの治療について詳しく掘り下げる機会がありました。一般の方が疑問に思う点も含めて質問を投げかけたところ、大変ご好評をいただきましたので、その内容の一部と、日頃よくご質問いただくボトックスヒアルロン酸注入に関する深い議論を共有したいと思います。

1. 美容外科手術(クマ治療)の多様性と注意点

クマの治療には、主に3つの手術方法があります。しかし、手術(オペ)を受ける際に注意すべき点として、執刀する外科医によって、その考え方や治療のパターンが異なるということが挙げられます。

横山先生が説明された考え方や流れは、あくまで横山先生の治療内容であり、他の医師では異なるアプローチになることがあります。

【専門用語解説:クマ治療の主要な手術】

  • 脱脂:目の下の飛び出た脂肪(眼窩脂肪)を取り除く手術です。
  • ハムラ法:脂肪を単に取り除くのではなく、靭帯を切って脂肪を下のくぼみへ移動させて固定する手術です。
  • ミッドフェイスリフト:たるんだ部位を上へ持ち上げる比較的新しいオペで、若くても組織の下垂が強ければ選択肢となり得ます。

1-1. 脱脂とハムラ法:アプローチの違い

手術には絶対的に決まったパターンや流れがあるわけではありません。例えば「脱脂」一つをとっても、どこの脂肪をどれくらい取るのが良いかという判断は、医師の流儀や経験によって分かれます。

脂肪を取りすぎてしまうとへこんで見えることがあります。へこみが悪いものではないと考える医師もいれば、「膨らみも良くないが、へこみも良くない」と考える医師もいます。また、将来的な再発を見越して、直後は少しへこみがあるくらいが良いと考えるなど、様々な考え方が存在します。

ハムラ法も多様なやり方があり、ミッドフェイスリフトも医師によって様々なパターンがあります。どのやり方が全てを解決するわけではないため、絶対的な正解はないことを理解しておく必要があります。

1-2. 手術の難しさと医師の「器用さ」

一つのオペをマスターするには、経験と時間が非常に重要です。ある分野の手術経験が豊富であっても、別の分野の手術が全てできるようになるわけではありません。

また、手術の習得においては、医師個人の器用さ(器)が大きく影響します。同じ手術を10回行ったとしても、器用な医師はすぐに高いレベルの動きができるようになりますが、そうでない医師は20回、30回と経験を積んで初めて同じレベルに到達できることがあります。

横山先生が「脱脂を50例やればハムラ法もできるんじゃないか」と冗談めかして話されていましたが、実際には脱脂とハムラ法は、扱う範囲(靭帯を切るか切らないかなど)が異なるため、脱脂の経験だけではハムラ法ができるようにはなりません。脱脂を経験する間に、ハムラ法の知識をしっかりと勉強することが不可欠です。結局、医師として進歩し続けるためには「勉強」が最も重要です。

1-3. 最適なクマ治療を選ぶために

クマの治療(脱脂、ハムラ法、ミッドフェイスリフトなど)は、それぞれ原因と仕組みが異なり、ダウンタイムや腫れ方も違います。年齢や下垂の程度によっても最適な手術は変わってきます。

「これしかない」と決めつけてクリニックを訪れると、本当に最適な治療を見逃してしまうことがあります。まずは、自身の状況について専門とする医師に相談し、何が最適かを見極めることが大切です。

 

2. ボトックス注射のQ&A

ボトックス治療に関する一般的な疑問にお答えします。

Q: ボトックスは1ヶ月の間に別日で追加すると、抗体ができやすくなるのでしょうか?

A: 現実的には、1〜2回の追加で抗体を心配する必要はほとんどありません。詳細は以下のとおりです。

2-1. ボトックスの作用と抗体について

ボトックスは、神経の先端から出る筋肉を収縮させる物質(アセチルコリン)の放出をブロックし、筋肉の動きを抑えます。

しかし、そのボトックスの作用を邪魔する成分として「抗体」が存在します。抗体が体内で作られてしまうと、ボトックスが効かなくなるのではないかと心配されることがあります。

2-2. 抗体の発生確率

研究により、目尻や眉間などの少量のボトックスを注射する量では、抗体ができる確率は非常に低いことがわかっています。抗体の心配をするよりも、ボトックスが変なところに効いて歪みができてしまうことを心配する方が、現実的かもしれません。

実際、ボトックスの効果には体質の差の方が大きく影響します。同じ量を打っても、効果が強く出る人もいれば、効きにくい人もいるためです。

2-3. 正しい使用頻度と追加注射(リタッチ)

ボトックスの注射を短い期間にバラバラと繰り返し行うこと(例:3ヶ月の間に7〜8回など)を10年、15年と続けた場合、抗体ができるリスクは高まる可能性があります。その結果、完全に効かなくなるわけではなくても、効果が弱くなることはあり得ます。

ただし、1回目の注射後、1ヶ月以内に微調整(リタッチ)として少量を打つ程度であれば、抗体ができてしまう確率は極めて低いため、現実的には心配しなくて良いと考えられます。

【適切なボトックス治療の推奨】

正しい治療の流れとしては、なるべくボトックスを打つポイントを1回のタイミングにまとめ、次回の注射までは3ヶ月以上、理想的には4〜5ヶ月以上間隔を空けることが推奨されます。ボトックスは半年近く効果を持つことが多いためです。

 

3. ヒアルロン酸・ボトックス治療の実際:医師自身の経験

私(新井先生)自身も、ヒアルロン酸とボトックスによる治療を定期的に行っています。

3-1. ヒアルロン酸注入について

私の場合は、まだ注入していない部位である眼球の周り、鼻、そして唇以外は、ほぼ顔全体にヒアルロン酸を注入しています。

若返りにおいて、顔は全体的に変化し、老化現象が出てきます。理論的に、顔全体的な変化をバランスよく、ナチュラルに若返らせるためには、全体的に注入していくことが必要になります。当院では、ヒアルロン酸注入を皮膚から深い層へ注入し、骨格や靭帯の支えを補うことでリフトアップし、老化現象と逆の変化を起こす治療としています。

これまでの総注入量は、8〜9年間の間にトータルで50cc程度に上ると思われます。一度に多量に注入した際は、18ccを使い、リフトアップを図りました。注入量は、患者様が「どれぐらいのペースで、どこまで若返りたいか」によって決定していきます。

 

3-2. ボトックスの注入部位と頻度

ボトックスは、眉間、目尻、顎、エラに定期的に打っています。次は、側頭筋への注入も検討しています。

ボトックスの頻度は、きっちり半年ごと、というわけではなく、効果が薄れ、シワや筋肉の膨らみが目立ってきたと感じたタイミング(私の場合、8〜9ヶ月に1回程度)で行っています。ボトックスの効果が切れても、筋肉は注射前より柔らかくなりシワが薄くなっていることが多いため、急に元に戻るわけではありません。

 

3-3. 顎のボトックスが効きにくい場合の対処法

顎のように、動きが強く筋肉が発達している部位でボトックスの持ちが悪い場合、いくつかの改善策があります。

1.量やポイントの調整: 筋肉の形や大きさに合わせて、打つ量や打つポイントを適切にアレンジし、効果を長く出すことが可能です。
2.ヒアルロン酸の併用: ヒアルロン酸を骨格矯正的な手法で注入することで、顎の筋肉の動きを抑えることができます。ヒアルロン酸で動きを抑えた上でボトックスを併用すると、ボトックスの効果を長持ちさせることが可能です。ただし、この方法は顎の形を整えたり伸ばしたりしたい場合に適しており、顎を小さくしたい方には向かない場合があります。

 

まとめ

美容医療の治療は一つとして同じものはありません。クマ治療一つをとっても、医師の技量や経験、治療の考え方によって結果は異なりますし、ヒアルロン酸やボトックス注入も、全体のバランスや目指すゴールによって治療プランは大きく変わります。

当院の特徴は、解剖学に基づく知識と技術をもって注入治療を専門に行っていることです。

最適な治療結果を得るためには、ご自身の顔を直接見せていただき、どういった方向性で、どの程度の変化を望むのかをしっかりと相談させていただくことが不可欠です。ぜひ、無料カウンセリングをご利用ください。

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