ヒアルロン酸治療だけでいいのか?

私が勤めるラベールミラクリニックでは、ヒアルロン酸やボトックス治療がメインです。他にも、脂肪溶解注射やフォトフェイシャル、ピーリング、エレクトロポレーションといった美肌治療も行っていますが、主力はやはりヒアルロン酸とボトックスです。
また、5月に開院するたがやクリニックでも、同様の治療メニューを提供予定です。
そのため、「ヒアルロン酸とボトックスだけで十分なんですか?」と患者さんに尋ねられることがあります。これに対しての答えは「YESでもあり、NOでもある」というのが私の考えです。なぜなら、患者さんの希望や状態によって、適切な治療は異なるからです。

例えば、「頬のたるみを大きく引き上げたい」といった希望がある場合です。手で頬をギュッと上に引っ張って皮膚が余るような状態を目指すには、ヒアルロン酸では対応できません。このようなケースでは、フェイスリフトのような手術が必要になることがあります。
また、目の下のクマが脂肪の膨らみで目立つ場合、その膨らみを根本的に解消するためには手術が必要になることがあります。ヒアルロン酸は基本的にボリュームを増やす治療なので、膨らみをなくす目的には適していません。
ただし、手術に抵抗を感じる患者さんも多くいらっしゃいます。その場合には、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療で、可能な範囲まで改善を目指すことが選択肢となります。


ヒアルロン酸やボトックスによる注入治療は、世間で思われている以上に多くのことが可能です。ただし、魔法ではありません。例えば「ヒアルロン酸1本で10歳若返りたい」というご希望にはお応えできません。若返りを目指す場合、必要なヒアルロン酸の量は患者さんの状態や目指すゴールによって異なり、場合によっては10本以上必要なこともあります。
例えば、「5年前の自分に戻りたい」という患者さんがいたとします。一見、5年という数字は小さく感じられるかもしれませんが、見た目における5年の差は非常に大きいです。このような場合、目指す結果を得るためには相応の本数を使った治療が必要になることが少なくありません。

一部では、「多い本数の治療は避けるべきだ」「コストパフォーマンスを考えると手術の方が良い」という意見もあります。これに対して否定はしません。しかし、手術には勇気が必要ですし(私自身も手術を受けた際は勇気が入りましたし、できることなら避けたい気持ちを持っています)、同じ結果が得られるなら少ない本数の方が望ましいのは事実です。ただ、少ない本数では変化に限界があることも事実です。
ヒアルロン酸治療において、10本以上の注入が必要になる患者さんもいますが、それは単なる量の問題ではありません。重要なのは、治療のバランスです。過剰な注入やバランスを崩した治療は、「ヒアルロン酸顔」と呼ばれるような不自然な仕上がりを生む原因になります。
「ヒアルロン酸顔」と検索すると、頬や唇、おでこは不自然に膨らみ、逆に口周りや目の上は痩せて老けた印象を残している顔を見かけることがあると思います。これらの問題は、本数が多いこと自体ではなく、治療バランスが崩れていることが原因です。つまり、逆にヒアルロン酸1本でもバランスが悪ければ、不自然な顔になることはあります。

10本以上の治療をバランスよく行う技術は、簡単に習得できるものではありません。
私は、患者さんの「なりたい顔」に近づけるため、日々注入治療の技術を磨き、できる治療の幅を広げてきました。
「ヒアルロン酸、ボトックスでできることを最大限にやりたい」となったときに頼っていただける存在でありたいと思っています。
患者さん一人ひとりの希望に寄り添い、最善の治療を提供できるよう、これからも努力していきたいと思います。

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