ヒアルロン酸、溶かすのは意外と簡単ではない。

ヒアルロン酸治療のメリットの1つとして、ヒアルロン酸を溶かすヒアルロニダーゼという薬があるということが挙げられると思います。
合併症など何か起こった時に何もできないよりは何かできる方法がある施術であることはいいことだと思うからです。しかし、気に入らなかったら溶かせばいいよのためにヒアルロニダーゼがあるとは思っていません。
溶かすのは意外と簡単ではありません。
まず、溶かすには思った以上に量が入ります。
わかりやすい様に具体的にいうと、アラガンのボリューマ0.1を溶かすには、ヒアルロニダーゼが大体45U〜60Uは必要です。ヒト由来のヒアルロニダーゼであれば1バイヤル150U/1cc入っているので、0.3〜0.4cc必要になります。(ヒアルロン酸の製剤の種類によってもっと必要だったり、そこまで入らなかったりします。)これは、ヒアルロン酸を出して、そこに直接ヒアルロニダーゼを注入した実験結果です。実際に顔の中にある0.1ccを全部溶かそうと思ったら、もっともっと必要です。
なぜなら、理想的にヒアルロン酸にヒアルロニダーゼを当てるのが難しいからです。
顔の中にありどこにヒアルロン酸があるか外からは見えないので理想的にはなかなか当たらないですし、同じ0.1ccのヒアルロン酸であっても塊で置いた場合よりもカニューレなどで面で置いた場合の方が広範囲になるので全部溶かすのは難しいです。
また自分じゃなく、他の先生が施術したヒアルロン酸を溶かす場合はより難しいです。どこにどれだけ入れたかの記録がない場合がほとんどだからです。ということは、「ここに入れたヒアルロン酸が少しだけ気になるから0.1だけ溶かしてください」っていうのはかなり難しいということです。ちょうどいい量を溶かすのはかなり難しいです。
そして、実はヒアルロニダーゼも打つドクターの技術によって結果が変わってきます。
塞栓の場合はもっと大変です。
塞栓といって血管内にヒアルロン酸が詰まった状態になった場合は、そのままにしておくと皮膚壊死が起きたり、場所によっては失明したり、、、、、
なので一刻も早く症状に気付き、ヒアルロニダーゼで溶かさなければいけないのですが、血管内に詰まったヒアルロン酸はどこで詰まったか正確な位置はなかなかわかりません。なので、すごい量を使います。万単位で使うことも全然珍しくありません。
またヒアルロニダーゼにはアレルギー反応のリスクがあります。
ヒアルロニダーゼにはヒト由来、羊由来、牛由来とありますが、それぞれアレルギーのリスクが違います。ヒト由来がこの3種類の中ではリスクは低いですが、値段は高いです。牛由来がこの3種類の中では値段は安いですが、リスクは高いです。(ヒアルロニダーゼを初めて使う場合はアレルギーテストを当院ではしています。)
「増やすのは簡単。減らすのは大変」
これは私がよく患者さんにいう言葉です。ヒアルロン酸を入れるよりも溶かす方が大変です。お金もみなさんが思っている以上にかかります。なので、迷ったら控えめに治療するのがいいと思います。
私はヒアルロニダーゼを使わない結果になるのが1番だと考えています。
まとめると、ヒアルロン酸を溶かす薬はあるけど、溶かすのは意外と簡単ではないです。
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