日本にボトックスが正式に入ってきて10年が経ちます。その間、ボトックスについての研究が進められ、使い方も改良されていった結果、いまではナチュラルなアンチエイジング治療には欠かせないものとなりました。
しかし、海外ではエステ感覚で受けるボトックス治療も日本では変な顔になる治療としてまだまだ忌み嫌う人が多く、なんでこれだけ乖離しているのか常々不思議に感じます。
その原因の一つが、この10年間にボトックスを悪者としてしまう事件が多かったこと。簡単に言うと、初期の頃はまだボトックスのちょうど良い使い方がわかっておらず、手探りで、またはテキトーに治療をしていた結果、いわゆるボトックス顔と呼ばれる失敗を多く繰り返してしまい、それによって日本の中でボトックス嫌いの人が増えてしまいました。
そんなボトックス、誤解を恐れず言うと大変よい薬です。正しく使うと表情をナチュラルに若く、優しいお顔にします。また、顔の輪郭を小さくしてすっきりと小顔に見せる効果もあります。それだけでなく汗の分泌を抑制することによって多汗症で悩む方のQOLを格段に向上させることができ、ワキや頭に汗をかきやすい人は汗を減らすことで不快な臭いやベタつきをとってストレスを減らし、頭皮環境を整えることで薄毛治療にもつながります。さらには皮膚の表面に注射することで毛穴を引き締めて肌のハリを出すこともできます。極め付けは、アメリカでは頭痛の治療薬として正式に認められています。
要は使い方の問題ということです。どんなに良い薬も使い方を間違えれば効果は無く、副作用のみが強く出てしまいます。ボトックスは非常に効果が強い薬です。そのために少しでも使い方を間違えればその分思わぬ効果も強く出てしまうのです。
ボトックスはシワ取りの注射と思っている人が多いですが、正しくは神経伝達をブロック(遮断)する薬であって、シワを伸ばすのではありません。硬くなった筋肉がボトックスによって柔らかくなった結果としてシワが伸びてきます。
これは医療関係者でも勘違いしていることが多く、正しく理解していないドクターによって施術されると思わぬ結果となってしまいます。その典型はおでこのシワ。額のシワに対してボトックスだけを注射すると上瞼が重くなってしまいます。ボトックスの量や注射方法を工夫すればそれも最小限に抑えることができますが、本来は正しい治療が必要になります。
額のシワはたるみによって目が開け難くなり、額の筋肉を使って大きく目を開けようとする結果としてシワが寄ってきます。ボトックスは大事な治療ですがちょっと順番が違います。正しくは額にヒアルロン酸を注入して目のリフトアップを行い、目が大きく開くようにしてあげます。
そうすると、額の筋肉で頑張って目を開けなくてよくなるので自然とシワは減ってきます。それでもまだ残るシワに対してボトックスを注射するとよりナチュラルにシワが消えていきます。
ボトックスはシワ取り注射にあらず。老化のメカニズムをちゃんと理解して、本当に必要な治療を正しい順番で行うことが大事です。人の顔は骨、筋肉、脂肪、靭帯、皮膚などなどが複雑に絡み合って構成しています。機械のように壊れた部品だけを交換すれば元通り、というわけにはいきませんから。
話が難しい…という方はまず相談にどうぞ。ラベールミラクリニックは診察無料です。治療するしないに関わらず、またラベールにはない治療も含めて最善の治療法を提案いたします。ただし、当院は完全予約制となっておりますので遠慮無くお問い合わせください。
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