ボトックスのよくあるトラブル2つ

こんにちは、松元です。

今日はボトックス治療で注意すべきことや、トラブルが起きやすいパターンについてお話しします。

ボトックスは、シワを改善したり顔の形を整えたりと非常に効果的な治療ですが、
治療後のトラブルや期待外れの結果を防ぐためには、正しい知識と計画が必要です。
以下によくある例を挙げながら注意点をお伝えします。

エラボトックスのよくあるトラブル

小顔ボトックスとして知られるエラボトックスですが、「頬がこける」「たるむ」というトラブルが起こる場合があります。

エラボトックスは咬筋を小さくして輪郭をすっきりさせる治療です。
しかし、咬筋が縮小すると、以下のような現象が起きることがあります:

  1. 頬コケが目立つ:
    咬筋が大きく発達している人は、実際には頬骨の下の部分(頬骨弓下)が痩せていても、その痩せが筋肉で隠されています。エラボトックスによって筋肉が小さくなると、この隠れていた痩せが顕在化します。
  2. たるみが強調される:
    咬筋は実は口横のもたつきを外側に引っ張っている役割があります。その咬筋が小さくなるとそのままたるみが口横に落ちてきて、弛みがより目立つことがあります。

重要なことは、これは「エラボトックス自体で痩せたりたるんだりする」のではなく、
「もともと存在していた痩せやたるみが顕在化する」状態です。

対策は?

エラボトックスを行う場合、元々痩せやたるみがある部分にはヒアルロン酸で補填を行います。
ヒアルロン酸で痩せやたるみを改善しつつ、ボトックスで小顔効果を得るという治療が理想的です。
適切な治療計画を立てることで、より滑らかなフェイスラインを実現できます。

 

額ボトックスの注意点

額のシワを消したい方も多いですが、慎重に治療を行わないと思わぬ結果を招くことがあります。

額のシワができる原因は、骨の萎縮による皮膚のたるみが主な要因です。
目元が重たくなり、その状態をカバーするために前頭筋(額の筋肉)を使って目を開ける動作をしています。

このような状況で、何も考えずに額にボトックスを打つと、次のような結果が起こる可能性があります:

  1. シワは消えたけど目が重たい:
    前頭筋が動かなくなることで、目を開ける力が弱まり、目元がさらに重たく感じられるようになります。
  2. シワが消えない:
    逆に、目元が重たくならないようにボトックスを弱めたり、あまり下方は注入しないとすると、全体的にもしくは部分的にシワが残り「効果がない」と感じることがあります。

対策は?

額のシワの根本的な原因は骨の萎縮にあるため、まずヒアルロン酸で骨萎縮を補い、皮膚のたるみをリフトアップすることが優先です。
これだけでシワが改善することも多く、ボトックスはその後に必要に応じて使用するのが効果的です。

本当に必要な治療を見極めるために

エラボトックスや額ボトックスの例に限らず、ボトックス治療を行う際には、以下の点をしっかり考えることが重要です:

1.症状の原因を探る:
「顔が大きい」「シワがある」といった表面的な悩みだけに注目せず、なぜその症状が起きているのかを理解することが必要です。

2.中の構造を考える:
骨格の構造、筋肉の動き、皮膚の状態がどうなっているかを総合的に診断することが重要です。

3.ボトックスを使った場合の影響を予測する:
その上でボトックスが筋肉に与える影響を考え、その結果どのような変化が起きるかをイメージします。

そのイメージをカウンセリングで患者さんと擦り合わせることが重要です。

まとめ

ボトックスは非常に効果的な治療ですが、誤った使い方や計画のない治療はトラブルにつながる可能性があります。

適切な治療計画を立てることで、ボトックスの効果を最大限に引き出し、患者さんにとって最も自然で満足のいく結果を得ることができます。

ご自身の症状に合った治療方法を見つけるために、ぜひカウンセリングでお気軽にご相談ください。

それではまた。

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