ヒアルロン酸は沢山注入しないと効果がない、そんなことはありません。

ヒアルロン酸やボトックスを注入治療した患者さんには2週間後を目安に経過観察に来ていただいています。

経過観察は

1.内出血や腫れなど経過の確認

2.注入による変化の確認

3.今後の治療でできることをお伝えする

ことが目的です。

 

このうち2.は特に重要です。

正しく注入治療をすると、

変化が自然で違和感が少ないのが特徴ですが反面

「患者さん自身がどこがどう変わったのか分かりにくい」

ことがあります。

 

「どこがどう変わったかはわからないけど、なんとなく良くなった!」

はまだいいですが

「効果がよくわからないけど本数が少ないから仕方ないですよね。」

と受け止める場合もあり得ます。

 

でも経過観察に来ていただき、鏡を持って注入前の写真と見比べてみると

ちゃんと変化は現れています。

「こめかみのやせが減って額から頬骨にかけて滑らかに繋がってきましたね」

「頬の重心が上がりましたね」

「頬の痩せが減ってフェイスラインの凹凸が減りましたね」

などなど、患者さんが気付きにくい輪郭や重心の変化が起きています。

 

先日経過観察にいらした患者さんも効果がよくわからないご様子でした。

「少し頬がピンと張ったのは分かります。

効果を感じるには(アセスメントに書いてあったように)十何本やらないと変わらないですよね」

とおっしゃいました。

 

でも鏡と写真を見比べながら

「少し鏡を離して見ると、頬の重心が上がっています。

重心が上がることで顎周りもスッキリして見えますね」

と説明すると

「わーほんとだ。違う!」

と驚かれていました。

 

毎日見ている自分の顔の変化がわからないなんてそんなばかな、と思うかもしれません。

でも実際そうなのです。

余程変化が大きくないと、輪郭や顔の重心といった顔の大枠には目が行きにくいのです。

逆に顔の中心部のパーツには注意が向きやすく変化にも気付きやすいです。

だからこそほうれい線、ゴルゴライン、目の下のクマ、マリオットラインなどのお悩みが多いのでしょう。

 

さて、経過観察に来ていただいて過去と現在の違いを確認した後は未来です。

3.今後の治療でできることをお伝えする

 

ここでは、

今回の治療を強化する

他の症状を治療する

複数の症状を同時に治療する

など様々な方向性があることを伝えます。

 

例えば、

「ほうれい線を次も治療したいとなれば、今回と同じポイントをそれぞれ強化することもできます。

ほうれい線はひとまず良しとして、例えばこめかみの痩せが気になるなら、こめかみのポイントを使って目尻の開きをよくして額から頬骨が滑らかに繋がるようにするのもアリです。

ほうれい線もこめかみも両方治療したいとなれば、それぞれのポイントを少しずつ使ってそれぞれを良くする、これも楽しいです。」

こんなことをお話します。

 

「さあ次はどうしようかしら」とワクワクしながら帰っていかれる方も多いことでしょう。

「効果がよくわからないけど本数が少ないから仕方ないですよね。」

から大きな認識の変化です。

 

経過観察で客観的に変化を確認するのが大事なのは

注入治療が「映える」治療ではなく「自然な」治療だからこそです。

せっかく治療したのに効果がわからないではやった甲斐がないというものです。

なんとなく良くなった、でも勿体無い。

どこがどう変わったのかしっかり感じていただきたいです。

 

まとめると、経過観察は

過去を振り返り、現在地を確認し、未来予想図(古い💦)をお見せするためのもの

 

ちょっとお手間を取らせますが注入後はぜひ経過観察にいらしてください。

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