ラポールがあるところ

昨日はラベールの院内勉強会でした。

合併症はその重要性から新井先生が繰り返し取り上げてきたテーマでしたが、

今回は新しいメッセージが吹き込まれたように感じました。

 

冒頭から

「重いテーマだからこそリラックスして聴いてください」

「お弁当はとんかつにしましたよ。」

と参加者をほぐすように語りかける新井先生を見ていて思い出す光景がありました。

それは新井先生の元に相談に訪れた先生の背中です。

 

今回の勉強会で新井先生が一番伝えたかったことは

「こういうことにならないで」

ではないかと思いました。

 

合併症について勉強、対策をする

何か起きた時全力で向き合う覚悟を持つ

でも

患者さんとの関係性を保つ

ことができなければどうすることもできないという現実があります。

 

塞栓はすぐに治療を開始できるかどうかが予後を左右します。

治療させてもらうことは何より患者さんのためです。

「もうこの医師に診てもらいたくない」と患者さんが思ってしまうようなことは避けなければなりません。

「心配だけど、ここでこのまま治療を受けよう」と思ってもらわないといけません。

 

そのためにどうしたら良いのか

新井先生はラポールという言葉を使われました。

心理学用語で信頼関係を表す言葉です。

ラポールをどう形成するか、

受診前の電話やメール、受付やスタッフの対応、カウンセリング、治療

あらゆる場面で医師とスタッフ両方で積み重ねていく必要があります。

「ここは自分を大事にしてくれるところだ、安心して良いところだ」

と患者さんに感じてもらうことが、

ひいては合併症が起きた時治療を任せていただけることに繋がります。

 

そういうことを伝えるために新井先生は私たちにも

「ここは安心して良いところだ」

と伝えようとされていた気がします。

誰もがリラックスして

言いたいことが言えて

温かく活気があって

30人の先生方もスタッフも全員が参加している

昨日はそんな会でした。

 

私たち医師がラポールがある場で学びあうこと

それも幸せで安全な注入治療のために必要なんだと感じました。

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