たれ目院長ブログ ~みんな知らないボトックスの汗止め効果~

 

先日スタッフが泣き顔でいるのでどうしたのかと思ったら、問い合わせのLINEで一方的に言われた挙句にgoogleの口コミで酷いことを書かれていると。経緯を確認してみると、当院の間違いを指摘されたため謝罪してさらにお詫びの提案もしている様子。それに対して鬼の首を取ったような勢いで一方的にサービスを要求し、その後は既読スルー。たしかに当院の間違いがあったもののこれはちょっと酷いかなと思いました。私も旅行の際など口コミを参考にしますが、こういうこともあるのだなぁと実感…。とはいえ当院の間違いがあったのも事実。それは厳しく受け止め、今後はこのようなことがないように気を付けます。ただでさえHPの誤りや改善すべき点が多い当院、患者様のご指摘はありがたく受け止めます。

 

botox

さて気を取り直して、知らざれるボトックスの効果。ボトックスは失敗した時のイメージが広まってしまったためにとにかく悪者扱いされてしまう薬ですが、本当は安全性も効果も高い非常に良い薬です。美容医療だけでなく痙攣を止めたり関節の拘縮を改善するために使われたりと、保険診療においても活躍している立派な良薬です。美容においてはシワ取りとして有名ですが、ボトックスの効果はそれだけに止まりません。私自身も定期的に受けている肩こりボトックス治療もあまり知られていない治療の一つですし、他にも汗を止める効果を使った汗止めボトックスもその一つ。USAでは片頭痛の治療にも使われるほどボトックスの適用範囲は広がっています。

そもそもボトックスというのはシワを伸ばす薬ではなくて、神経の伝達をブロックする薬です。その作用を上手に利用すると結果的にシワが伸びたり小顔になったり多汗症の治療となります。多汗症に対する汗止めボトックスの効果は絶大で、根治療法がまだ確立されていない現在では最小限の負担で劇的にQOL(生活の質)を向上させる良い治療です。私はもともと呼吸器外科医であったことから多汗症の治療には関りを持っています。なぜ外科医が多汗症の治療を?、皮膚科のドクターじゃないの?、と思われるかもしれませんが、多汗症の根治術として脊椎の神経節の一部を手術で破壊し、それによって汗を止めるという治療がかつてはよく行われていました。それは主に呼吸器外科医によって行われたために外科医として関っていました。この治療はうまくいくとピタリと汗を止めて治るのですが、時間が経つと症状が再発することや、両腕の汗を止めたことによる代償として他の部分で汗の分泌が増えるなどの副作用があり、根治術としては定着しませんでした。

多汗症の症状は生活や仕事に大きな影響を及ぼします。手掌多汗症であれば、一度手汗を拭きとっても10分後には滴り落ちるほどの汗が分泌され、手のひらは完全に濡れた状態になってしまいます。一般的に手汗が多いと言う人の比ではありません。書類を触れば濡れてしまい、手を置けば紙が濡れて破れてしまうためテストでも余計な気を使わされます。また、思春期においては恋人ができても手をつなぐことができず、積極的に行動することや色々な活動に参加できないこともあります。私が若い頃に担当した13歳の少女は、手術によって手汗が止まり、これで人生も変わると大変喜んでいました。このことは今でもよく覚えています。

手術以外の治療法としては外用薬で汗の分泌を止める治療がありますが、これも根本的な治療とはなっていません。手術の優先度が高くない現在では第一選択ですが、それで症状の改善が難しい場合にはボトックスによる治療が選択されます。ボトックスは手掌多汗症、足底多汗症以外にも、腋臭症(ワキガ)や頭の汗に対しても治療が可能です。ボトックスのデメリットは注射であるためどうしても痛みがあることと、効果の持続は6カ月ほどなので定期的な治療が必要であること。そのかわり汗止め、ワキガであればそのニオイを改善する効果は絶大で、限局性に効かせるために手術とは異なり代償性発汗のリスクもほとんどありません。

私は施術や診察の際に患者様に接近するため、体臭や口臭、汗にはかなり気を使っています。ワキ汗も暑いと普通に出ますのでボトックスでしっかりと治療しています。特に暑かった去年の夏はボトックスを注射するのを少しさぼっていた間に、ワキに汗疹ができてしまいました。そのためすぐに薬を塗って治したあとはボトックスで汗を止め、ようやく湿疹にもならずにニオイも抑えて改善した、ということがありました。その後はちゃんと注射して継続していますし、厚着をすると汗をかくので冬でも注射をしています。忙しいと後回しにしてしまいがちですが、春になってそろそろ温かくなってきた今からもう準備しておくと快適な状態を保てると思います。

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